深淵を語る

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フェアノールは何者だったのか

結局のところ、フェアノールは善人だったのか、それとも悪人だったのか。シルマリルの物語を何度も読み返して、彼の言動や他のエルフとの関係性、さまざまな角度で見ているが、まだはっきりとわからない。いや、善か悪かで彼を図るなど、それこそナンセンスと...
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父として、王として―フィンウェの胸中

フェアノールの幼少期の別れ、そして父も母も両方“うしなう”という経験は、その後の彼の人生に大きな影を落とした。ただ、うしなった経験をしたのは彼だけではない。彼の父、フィンウェもまた、最愛の妻を喪っている。そして、そのことは、フィンウェの心に...
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母を亡くした悲しみ、父を喪った憤り

フェアノールは両親を“うしなった”。母ミーリエルは、彼が生まれてまもなく、いわゆる産褥病で亡くなった。※産褥(さんじょく)とは、出産前後の時期のことを指し、この頃の母親は病みやすいと言われている。もとより、この時代のエルフは死に至ることのな...
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彼の炎は、いつから燃えていたのか

フェアノールの話を語り出すと止まらなくなる。特筆すべきは、彼の性格。それを端的に表している一節がある。目的とするものがあれば、何であれ、断固として熱心にこれを追求した。『シルマリルの物語』「フェアノールと鎖から解き放たれたメルコールのこと」...
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どうしても“彼”を救いたい私

人生においてこれほどに私の心を動かす者はいない。それは以前少しだけ語った。なぜ“彼”は私の心を動かしたのか。それは、“彼”があまりに傲慢だったからでも、非情な者だったからでもない。むしろ、私は、“彼”にはある種の哀れみを抱いているのだ。“彼...
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いつか語りたいと思っていたこと

エルフの人間味あふれる有り様は、何年経っても私の心をくすぐって離さない。そのきっかけとなったのは、やはり“彼”だろう。「指輪物語」を読み終えた私は、次に「ホビットの冒険」に手を伸ばそうとした。だが、それ以上に心揺さぶられたものがあった。それ...