サウロンの主、メルコールは“不滅の炎”を求めて、仲間達とは違う行動をしていた。
他のヴァラール達はイルーヴァタールより与えられた主題に則り、歌を奏で続けていた。
しかし、メルコールには彼らとは違う考えが浮かんだ。
そして、どこかにあるはずの“不滅の炎”を求め、虚空に入っていった。
だが、不滅の炎は見つからなかった。イルーヴァタールとともにあったからだ。
というのが、「アイヌリンダレ」に記されていることである。
しかし、そもそもメルコールは“不滅の炎”がどんなものなのかを知っていたのだろうか。
存在は認知していたとしても、それがどのようなものなのかを知らずに求めていたとしたら、なぜそれを求めていたのだろうか。
それが、自分の力を決定づける何かになると思ったのか。
いや、そもそも“不滅の炎”とは何なのか。
シルマリルの物語には詳しくは言及されていない。
ただ、イルーヴァタールの御許にあり、第二の主題を奏でた際にアイヌルにも与えられると言われている。
それは神秘的な力であり、創造性や意思のようなものとも。
だとすれば、メルコールは既に、どのアイヌルよりも早く、不滅の炎にたどり着いていたのではないか。
だが、その実態をつかめず、彼なりの答えを探して虚空をさまよった。
結果的に、他のアイヌルとは別の行動をした。
それが彼にもたらしたのは破滅への道だったが、私はその行動が悪いことだとは思わない。
誰しも不確かなものを確かなものにしようと、もがき苦しむ時もある。
メルコールはそうだった。他のアイヌルはそうではなかった。その違いだけなのだ。
ただ、他のアイヌルとメルコールにはそれ以上に大きな違いがあったように思う。
それはもう少し語っていく必要がありそうだ。

コメント