緑葉ことレゴラスの衝動的な姿勢は、過酷な旅において欠かせない要素だった。
しかし、衝動性が高いエルフは彼だけではない。
私の大好きなフェアノールも、彼の異母弟 フィンゴルフィンもそうと言える。
だが、もう一人、この人物もそうではないだろうか。
それは、レゴラスの祖先とも言える存在。
はじまりのエルフにして、中つ国からアマンへと渡るエルフを率いた人物。
シンダールの祖、エルウェ・シンゴルロ。
彼もまた、かなり風変わりな人物と言える。
親友フィンウェと、ヴァンヤールの祖イングウェと共にアマンへ渡ろうとするも、長であるにもかかわらず、彼はしばしば同族達から離れ、フィンウェのところに行っていた。
どころか、彼自身はマイアのメリアンに惹かれ、アマンと中つ国の境で暮らすようになり、とうとうアマンへは渡らなかった。
一言で言えば、同じ種族の長としてあるのではなく、自らの思いのままに行動した人物と言えよう。
その姿は、娘ルーシエンを溺愛したり、ベレンに難題をふっかけてみたりといった一面からも垣間見える。
最期は、シルマリルへの執着のあまり、これまで懇意にしていたはずのドワーフ達をないがしろにし、恨まれて殺された。
想像するエルフの姿勢とは少し違う面がシンゴルにはあった。
それは「指輪物語」で、レゴラスに通じている。
彼もまた、シンダール・エルフだからだ。
だが、レゴラスの最期は、シンゴルのように凄惨なものではなかった。
隣にはかけがえのない友がいて、彼とともにアマンへ赴く様子は、詳しくは描かれていないが、それでもレゴラスの幸せに満ちあふれた様子は想像に難くない。
もっとも、私はシンゴルとレゴラスに、対比的な意味があるように思えてならない。
かたやドワーフと決別するきっかけをもたらしたシンゴル。
かたやギムリとの友情を育み、エルフとドワーフの橋渡しとなったレゴラス。
この二人の対比がここまで鮮明に浮かび上がるのも、二人がそれぞれ道は違えど、自らの心のままにあることにあると、私は思う。
もし、シンゴルがずっとフィンウェとともにいたのなら、その運命はどうなっていただろうか。
心のままに生きる者は、穏やかな結末を約束されない時もある。だが、その選択があったからこそ、物語はより深みを増すのだ。


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