初めて目にした、あのおぞましき目。
炎に囲まれた細長い瞳。それが見つめるのは、いつでも指輪だった。
ただ、本当にそうだったのかと、ふと思うことがある。
彼は、ヴァラのアウレに仕えるマイアの一人だった。
しかし、ある時から、ヴァラにも並ばなかったメルコールに支持し、彼の悪事に荷担して最も優れた僕となった。
その時、彼はサウロンと呼ばれるようになった。
この頃、彼の目は常にメルコール、いやモルゴスを追い、世界を手に入れんとする主のすべての所業を手助けした。
やがて主が常闇に囚われると、自らが冥王となり世界を掌握せんとした。
まるで主に取って代わったかのように。
だが、いくら世界の全てを治めようとしたところで、指輪に命を預ける必要はなかったのではないか。
彼ほどの力を有していれば、たとえ指輪に依存せずとも、主の代わりどころか、さらに世界を恐怖に陥れることもできたはずだ。
そうまでしてサウロンが得たかったものは、本当に世界征服だったのか。
もし彼が、常闇にいるモルゴスを、どこかで求めていたのだとしたら。
彼が見ていたのは指輪ではなく、その先にいるはずの主だったのではないか。
だとするならば、彼が世界を支配しようとしていたのは、決して己のためではなく、主の帰還に備えただけではないのか。
いや、あまりに飛躍しすぎか。


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