父の影に生きた者

父の影に苦悩しつつ生きた息子 考察

クルフィンはその名の通り、父フェアノールによく似ていた。

それは容姿だけでなく、性質も。

故に、父親と同様、その末路は悲しいものだった。

だが、彼が父のような何かを作成したかについて、 『シルマリルの物語』上で具体的には語られていない。

彼自身も父の技を多く受け継いでいた、ということだけ。

彼が最も印象的に映るのは、兄ケレゴルムとともにナルゴスロンドを乗っ取った、あの出来事だろう。

彼らの行為は目に余るものを感じたと同時に、クルフィンはケレゴルムの激情に寄り添い、付き従っていたように見える。

そして、彼らの行為は咎められる部分はあれど、物語の展開としては実に面白みを感じるのだ。

さらに、クルフィンには、ケレブリンボールという名の息子がいる。

クルフィンと同様、手の技に長けたケレブリンボールだったが、このナルゴスロンドでの一件により、二人は別れることになる。

正確に言えば、ケレブリンボールが父を見限ったのだ。

彼はナルゴスロンドにとどまり、以降はサウロンに殺されるまで、類い希なる技をもってさまざまなものを制作した。

モリアの西門の扉や力の指輪は、その成果の一部である。

こうしてみると、具体的な手の技を見せるケレブリンボールに対し、クルフィンはやはりその技の詳細が語られない。

それは、フェアノールの息子という、いわゆる二番煎じだからなのか、誓言に縛られたものへの罰なのか。

いずれにせよ、クルフィンを見ていくと少し哀れにも見えてくる。

父と同じ顔でありながら、父のような評価は得られない。

これもまた噂のひとつとして聞かれる、 「二代目はあまりふるわない」の象徴なのだろうか。

とはいえ、彼がいることの意義は既に語ったことの中にある。

物語に彩りを加えたこと、そして、子供との対比を残したことだ。

クルフィンは、父フェアノールほど熱く語られることはない。

しかし、彼がいたからこそ生まれたものも、確かに存在しているのである。

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