メルコールについて多く語るのは、私がトールキン世界において最も気にかけている人物の一人だからだ。
だが、もう一人忘れてはならない人物がいる。
私が最も敬愛し、思いを汲み取りたいと願う人物。
そう、フェアノールである。
私が彼らをここまで気にかけるのには理由がある。
それは、彼らをよく見てみるとわかってくる。
フェアノールもメルコールも、何かをひたすらに求めようとした。
フェアノールは、父の愛。
メルコールは、不滅の炎。
そして、そのために、自分がこうと思うことはなんでも追究した。
たとえそれが、誰かを傷つける結果になったとしても。
ある意味、自我の強い二人だった。
その自我の強さは、やがて自分自身を少しずつ蝕んでいく。
フェアノールは、家族との関係性を失い、遂には、大切なものを奪われたことにより理性も失った。
メルコールは世界を掌握したいがために闇の力を使い続け、もともとあったはずの強大さは次第に失われていった。
このように、二人には共通点がいくつもあるように見える。
だからこそ、私は二人を気にかけてしまう。
もし二人があの時、初めて会った時に、少しでも歩み寄ることができていれば。
似たもの同士、どこかでお互いを理解し、傷をなめ合っていたかもしれない。
もっと幸せにいられたかもしれない。
だが、そうなったとすれば、二人によって引き起こされた良いことも悪いことも、結局どうなっていただろうか。
かつて同じことを話したが、その人物がそうであったから物語は面白い。
だからこそ、二人の言動や進む過程にも意味はあると思えるのだ。


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