私は彼らのことも忘れてはいない。
とはいえ、片方があまりに印象が強すぎて、つい後回しになってしまう。
だが、そろそろ彼らのことも語らなければと思った。
後に、ローハンの王となるエオメルは、セオデン王からの信頼も厚く、武勇の面では類い稀なる力の持ち主である。
恵まれない境遇の中にいて、それでも折れずに立ち上がった、強い精神力も持ち合わせている。
しかし、読者の心をより惹きつけるのは、妹のエオウィンである。
彼女の生き方や戦うことの意味を見出そう葛藤する姿は、現代の人々の悩みとも通じるものを感じる。
故に、エオメル自身の功績や境遇自体は、我々の目からは遠くなりがちである。
しかし、彼自身も、セオデン王の嫡男セオドレドを失ってから、自身が後継者となり得るか、多くの葛藤を抱えていたはずだ。
そして、ペレンノール野の合戦では、最も慕っていたセオデン王を失い、妹までも失いかけた。
エオメルもまた、悲哀の中にいた人物と言える。
その中で、彼はその並びなき武勇でもって、合戦においては多いに活躍した。
彼は誠の戦士だった。
すべては、ローハンの民を守るため。
この時点で、彼は王たる素質を秘めていたと言っても過言ではない。
故に、彼の存在は物語において、とても大きく重要なはずなのである。
エオメルは決して日陰の者ではない。彼自身も強い光の中にある。
ただ、次の人物はどうだろうか。
その人物は、自分の存在をただ認知してもらえなかっただけなのか。
それとも、本当に日陰の者なのか。
それはまた次の話で。


コメント